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2023/07/05

当社初!第1回 新規事業創出プロジェクト「ファブトレ」を開催しました!

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先日ファブリカコミュニケーションズは初の社内事業コンテストとして、新規事業創出プロジェクト「ファブトレ」を実施しました。「ファブトレ」とは、Fabrica Entrepreneur(アントレプレナー=起業家)の略で、当社が起業家集団になって欲しいという経営側の想い・夢が込められたプロジェクト名です。

今回はその裏側編として、プロジェクトを主導した経営企画室の目線で、開催の経緯から実施し終えた感想・反省をお伝えします。

CHAPTER

社内事業コンテストは失敗する!?

社内事業コンテストとして有名なのが、サイバーエージェント社が過去に実施していた「ジギョつく」です。同社を設立し、最年少でマザーズ上場を果たした藤田晋氏のブログでは「社内事業コンテストは必ず失敗する」と題してその理由を述べられています。

そのブログ内容を把握した上で...それでも、社員一人一人経営者として事業を考える起業家集団になって欲しいという想いと、さらに「将来起業したい」「事業責任者になってみたい」「子会社の社長になってみたい」という夢を持っている社員が多くいることを知り、社内でも夢を応援する体制を構築する必要があると考え、2022年10月頃から経営企画室主導でプロジェクトを計画することになりました。

とはいえ、実施は初めてですので事務局としても手探りで計画開始。まず概要を考えつつ、スケジュールをざっくり引いてみることにしました。
今回の「ファブトレ」でまず大枠として決まっていたことは、翌年5月に開催される社員総会で最終のピッチコンテスト(プレゼン大会)を実施すること。そして、応募してもらうためによりよい事業を考えた社員を表彰することでした。

告知ポスターを作ってみた! 

スケジュール、賞金、審査員、提出物、、、とプロジェクトの概要を決めていく中で、運営側として心配されたのはちゃんと応募があるかどうか。応募してもらうために考えたことは下記2つでした。 

  1. 社内への告知・周知方法を工夫する
  2. 事業提案書のハードルを下げる

まず、告知をしっかりして全グループ社員に「ファブトレ」の実施を知ってもらう必要がありました。
何かやってるな、盛り上がってるな、私も応募してみようかな...となるにはどうしたらいいかと思い悩んでいたとところ、谷口社長から「ポスターを作ってみたら?」とアイディアをいただきました。

社内のデザイナーさんに頼もうかと悩みつつも、まず自分で作ってみることを選択。とはいえ、デザインツールを使いこなせるほどの力を持ち合わせていない私は、無料デザインツールのCanvaにお世話になることにしました。完成したのはこちら(下記)。

第1回新規事業創出プロジェクト「ファブトレ」ポスター.png

プロジェクト名、エントリー締切、賞金(グランプリは100万円!)を目立つように配置すること、色味は多く使用しないこと、詳細は別の応募概要にまとめ、最低限必要なことだけ記載することを意識して作成しました。デザインに長けた社員さんからいい感じだねと褒めてもらえたので、一安心でした。。
このポスターをデータで配布することで、各拠点の執務室に印刷して貼っていただいたり、社内のグループSNSに投稿したりと目に入るような工夫を行いました。

次の課題は、事業提案書に何を書いてもらうか。私にとってはこの点が一番難しい部分でした。
提案書の記載項目を少なくしてしまうと審査員が事業を評価する際に困りますし、かといって増やしてしまうと一次選考からハードルが高く応募が来ないのではないか。バランスの取れた事業提案書にするために過去実施された様々な事業コンテストやプロジェクトを参考にし、最終的には

  1.  事業名
  2. 事業内容
  3. 実現したい夢
  4. ターゲット顧客
  5. 市場環境
  6. 成長イメージ
  7. プレスリリースの項目

をまとめてもらうことにしました。

蓋を開けてみれば・・・想定外の応募数

2ヶ月間手探りで準備を行い、グループ社員の皆さんに実際に告知できたのは、2022年12月14日のことでした。ある程度想定質問への答えは用意しつつも考えが至らぬ部分もあるだろうと考え、質問箱も設置しました。投稿された質問の一例をご紹介します。

  Q. 新規事業は既存事業と全く関係なくてもよいですか?
  Q. 新規事業の市場規模は最低どれくらい必要ですか?

今回、事業領域は特に限定はしませんでした。
当社の全社戦略としてBtoB(法人向け)のSaaS(積み上げ型)事業が主軸となっていることから、この戦略に沿っていたりシナジーがあるとより現実的ではあることをお伝えしつつ、toC(コンシューマー向け)のサービスでも受け付けることとしました。また市場規模についても制限を設けず、当社の事業として成立するか、さらには利益が出るのかと言う目線を持って欲しいとお伝えしました。

第1号の応募があったのは、募集から1ヶ月経った2023年1月13日。エントリー締切より1ヶ月前にでてきた事業提案書を見て、大変ありがたく嬉しく思ったことを覚えています。しかし、そこからなかなか応募が集まらず運営側として焦る毎日。グループ全体へ改めてリマインド告知をしつつ応募を待ちました。

そして運命のエントリー締切 2月17日。なんと予想を上回る22事業もの応募が届きました!同じ社員で複数事業を提案してくれている方も多く、たくさんのアイディアが集まりました。
第1回ということもあったため様子見な人が多いと想定しており、両手に収まる数かな...?片手かな...?という具合でしたので、大変嬉しい悲鳴が出ました。

大誤算!想定外の数に難航する1次審査

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嬉しい悲鳴と表現したのは、事業の審査にかなりの時間がかかることを想定しきれていなかったためです。
今回「ファブトレ」の審査をお願いしたのは、谷口社長、近藤副社長、子会社の奥岡社長、そして経営企画管掌の岩館取締役でした。そもそも普段から大変忙しい方々であることに加え、実際に事業提案書を一つ一つ読み込むには相当な時間が必要であることが判明しました。

審査員の皆さんにお渡しする前に私自身も一通り目を通したのですが、当たり前ですが、それぞれの提案事業の事業領域は別ですし、ビジネスモデルも様々です。さらに自分の経験したことのない領域だとビジネスの想像が至らなかったり、課題や考えを理解するのは至難の業であることを実感しました。
と同時に、社員の皆さんが通常業務をしながらもそれぞれで事業課題を発見し、アイディアを出し、新たな事業を考えている姿に大変感化されました。

ただ応募数は多くとも、しっかりと審査とフィードバックをしなくてはなりません。予定していたスケジュールを大幅に後ろ倒しにしながらも、全ての事業に目を通していただき、審査員一人一人評価軸を元に点数化、さらには数字で評価しきれない定性面はコメントをいただくなどして厳正な審査を行なっていきました。

評価軸は、下記6つの軸を設定しました。

  • ビジョン・・・社会への貢献インパクトがあるか、何を達成したいのか?
  • ビジネスモデル・・・新規性、ユニーク性があるか
  • 市場規模・・・大きさはどうか?リサーチの精度は?
  • 事業プランの具体性・・・考え込まれているか?
  • フィージビリティ・・・ヒト/モノ/カネの調達方法は?どんなスケジュール?
  • 収益性・・・マネタイズの実現性は?規模は?

運営側の反省点としては、評価軸に沿った事業提案書の項目にできていなかった部分もあり、提案書に書いてない = 事業提案として検討しきれていないと見なされてしまうケースが少なからずあったことです。これは次回に生かさねばなりません。

また、事業開発とサービス開発が混同されているように見受けられるケースもありました。サービスの企画内容はかなり深く考えられているものの、事業としての提案はあと一歩という方に向けて、次回さらに事業提案として考えていただきたい範囲をわかりやすく案内できるといいなと反省しています。

2次選考へ突入!

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厳正な審査の結果、応募総数22事業のうち2次選考へ進んだ事業は6事業
2次選考へ進めなかった事業にはきちんとフィードバックをしようということで、一つ一つの事業に審査員からの審査コメントを集約し、「今回の結果に満足せず次回もチャレンジしていただけると嬉しいなあ...」という気持ちを込めながら審査結果をお伝えしていきました。

そして、残った6組には次の課題として事業計画書を出していただく案内をしました。
2次審査では1次審査で指摘された事業リスクや不明瞭な部分をさらに掘り下げて考えていただくとともに、1次審査では考えきれていなかったであろう新規ビジネスとしての“収益性”がより大きなテーマとして考えていただきました。

事業計画書の作成はハードルもそこそこ高いことから経営企画室としてもサポート(壁打ちの時間を取る)する必要があると考え、選考に残った6組には個別で打合せの時間を設定しました。

1次審査で想定以上に時間がかかってしまったことにより、審査結果をお伝えできたのはなんと4月6日。社員総会まであと1ヶ月と少しという、なんともタイトなスケジュールになってしまいました。ここから事業計画書とさらにはプレゼン資料に取り組んでいただくことを考えるとかなり酷な日程にしてしまったことは運営側の反省点です。
しかし、皆さんの努力があり、締切までになんとか間に合わせてくれました。(本当にお疲れ様でした!)

ラストスパート!ついに最終ステージへ

全ての事業計画書が出揃ったところで、審査員による2次審査会議を開催。最終プレゼンに進んでいただく数名を選出していただきました。
競合分析や事業開始に向けたタイムラインなどがより詳細に考え込まれており、さらにはフォーマットで用意した計画書以上に伝えたり調査したことがある方もいて、かなりハイレベルな事業計画書だったように思います。

一方、審査員はこれまで業務提携やM&Aの検討など様々な事業を見てきただけあって、事業に対する指摘や評価がどんどん飛び交う様子は、勉強になるなあと思うことばかりでした。そしてプレゼン発表に決まったのは2組。全く領域と系統の違う事業が選ばれたため、きっとプレゼンは面白くなるだろうと想像がつきました。
そしてこの審査会議で次のステージに進めなかった4組にも、チャレンジ賞を贈ることが決定しました。社員総会が24日後に迫ってきている(しかもゴールデンウィークを挟む)5月2日のことでした。

選ばれた2組にプレゼン資料の作成を依頼している間に、運営側としてはプレゼン当日の様子と表彰についての準備が始まりました。賞状・目録に加えて、グランプリと準グランプリ用のトロフィーも作ることに。賞状の文面はそれぞれに評価ポイントを加えたものを準備しました。

プレゼン発表当日・・・

社員総会20230525.001.png

プレゼンの準備をしていた2組からは、“資料作成期間の短さ”“プレゼン発表時間の短さ”に苦労したという話を聞きました。

今回のプレゼン時間はわずか10分。1ページ1分で説明すると10ページでまとめなくてはいけないという計算になります。とはいえ新規事業ですので説明することは山ほどあります。「いくら練習しても10分では収まりません!」という悲鳴を前日まで聞きつつ、社員総会のプログラムを変更することができないことから、なんとか収めてもらいました。

当日のプレゼンは2組とも大変素晴らしいものでした。映像でお見せしないことには様子はなかなか伝わりませんが、かたやエンタメに全振り、かたや真面目な印象で...という2組のコントラスト自体もプレゼンを聞く側の社員の皆さんに楽しんでもらえらたのではないかなと思います。

そして今回、なんと優秀賞準グランプリが誕生しました!!!

どんな事業だったのかは社外秘のため、お伝えするのは難しいのですが、プレゼン後に審査員はステージ袖の会議室に集まって「素晴らしいプレゼンだったね!」「こうやったら本当に事業化検討できるんじゃない?!」と高揚した様子で審査をされていたのが印象的でした。

果たして、準グランプリ受賞の事業は本当に事業化に至るのか...!?今後も検討は続きますが、今回、準グランプリまでの賞が出るとは最初は想像もつかなかったので、大変有意義なプロジェクトになったと感じております。
次回の開催日程はまだ決まってはいないものの、継続的に開催することで当社も起業家集団になっていくのも夢ではないと感じました。

最後に、審査員兼事務局を勤めていただいた岩館取締役が最後にコメントされたアドバイスが個人的に大変響いたので、読者の皆さんにもアドバイスをお届けしブログは以上とさせていただきます。

社員総会プレゼン岩館さん2.jpg

「新規事業というと、誰も思いついたことのない発明を考えなくてはいけないと考える方もいると思いますが、実際には世の中に誰も考えていないアイディアはなくて、既存のサービスやプロダクトの転用だとか、組み合わせだとか、もしくは全く同じサービスでも時代が違うとか国が違うとか、そう言ったことでも十分に新規事業になり得ると思っています。

そして、新規事業を考えたいと思った時に、自身の引き出しをたくさん持つことが必要だと私自身思っています。引き出しを持つことは難しいことではなくて、普段使っているサービスが「どのようなビジネスモデルで成り立っているのか」、「なんでそういう値付けになっているのか」を日常的に考えていくことでビジネスを考える力が養われてくると思っています。ぜひ次回に向けて、引き出しを増やすことを意識していただければと思います。」

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。

 

◎審査員の岩館取締役と準グランプリを受賞した応募者の長縄さんによる対談記事はこちら
◎このブログを執筆した牧野さんのインタビュー記事はこちら

編集:矢野佑果(経営企画室)  執筆:牧野 優生(経営企画室 課長)

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