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厚盛ニス加工ってどんな感じ?やりたい印刷方法をまた試してみた

以前、思う存分やりたい印刷方法を盛り込んだ「活版印刷コースター」に続く第二弾です。

日々目にするデザインの中で、気になっていたもののひとつ「厚盛ニス加工」を使った印刷ついてお伝えしたいと思います。

「厚盛ニス加工」を活かした何かを作りたい!

【厚盛ニス加工】とは ニス加工は、紙の表面に専用の溶剤を塗布することで、耐久性や透明感のある光沢を出すことができる方法です。印刷面に部分的に塗布できるため、自由にデザインできます。
さらに、「厚盛ニス」は名前の通りニスを厚くのせるため、艶だけで無く、塗布面にふくらみを持たせることができます。

といっても、業務上この加工が必要になる印刷物を制作する機会はないので、
今回も「ノベルティ」という設定で作らせてもらうことにして、活かせるアイテムは無いか検討。

弊社サービスのひとつ「ユズカリ」で山盛り描いたイラストを利用できたらいいなぁ。
そんな中で、シールにできたらいいよね~と話題にしていたことを思い出しまして、
これだ!と思いついたアイテムは「フレークシール」。

【フレークシール】とは 絵柄に沿って1枚ずつカットされた小さなシールです。(flake【fléik】破片、薄いかけら)
複数の絵柄が1つにパッケージされた状態で売られていることが多いです。 シール自体はもちろん、そのパッケージも含めてデザイン性の高いものが多く、お店で見かけるとついついじっくり見てしまいます。
マスキングテープと共に、コレクションとしても人気のあるアイテムかと思います。

ということで、「厚盛ニス加工」を使った「フレークシール」に決定。
やりたい印刷技法を盛り込むのが目的のため、またしてもコストは二の次。
そのため、今回も個人的に作らせていただきます!!

対応可能な印刷業者さん探し

実は、ブログの次のネタとしていつかやりたいと思っていたので、かなり前に実現できるかを調査していました。その当時、「フレークシールで厚盛ニス加工」の対応をしている業者さんを発見しており、安心しきっていました。
が、それから何ヶ月か経ち、このタイミングになってサイトを確認してみると…

その業者さんでは、フレークシールに限らず「厚盛ニス加工」自体、撤退されていました。
やっていないのであれば、個別相談での交渉も難しい…。

ということで、最初から探し直しとなりました。

今回の印刷のハードルの高さを知る…

検索しまくって探したところ、サイト上で「フレークシール」「厚盛ニス加工」をどちらも対応できると明記されている業者さんは、この時点では見つかりませんでした。
どちらかの対応を行っている業者さんへ問い合わせ、オプションや個別対応がしていただけないか相談することに。
いろいろお話を聞いてみると、「フレークシール」に「厚盛ニス加工」は小ロットの場合、結構ハードルが高い加工だった模様。以下、参考までに簡単にまとめました。

  • 厚盛ニス加工をメニュー化していない業者さんでも対応できる場合があるが、版代や加工代が高いため、小ロットに向いていない(予算をかなりオーバー)
  • 台紙についたままのシール(ハーフカット)なら可能だが、型抜き(ダイカット)は対応していない
  • 名刺やポストカードなど、シールに拘らなければ、小ロットでも多様な表面加工ができる
  • 一部ではなく、シール全体にふくらみをつけることはできる(ポッティング加工)

などなど
これは、アイテム自体の変更も検討する必要がありそうです…。

印刷業者さんって素晴らしい!

今回気になっている「表面が盛り上がった艶加工」の印刷物をどこかで見かけ、それがどういった方法で印刷されているかをネットで調べ、「厚盛ニス加工」という言葉を知りました。しかし、これ以外でも「表面が盛り上がった艶加工」に近い加工は他にもあったりします。
原点に立ち返って、「部分的に透明感のある艶加工(できれば加工部分にふくらみ有り)」で小ロットでもコストが現実的な他の方法が無いか、「厚盛ニス加工」に拘らず探してみることに。
そういったことは、印刷を熟知していない自分ではわからないため、専門知識豊富な印刷業者さんからのご提案をいただき、以下が候補となりました。

● ニス加工(厚盛ではないので、ぷっくりふくらみは無し)
● 透明箔押し(こちらもふくらみは無し)

ご提案いただいた内容は、業者さんのサイトを見ただけではわからない情報でした。
サイトに記載されている内容しか印刷できないと諦めず、「どういったものを作りたいか」を伝えて相談してみる価値、大いにありと感じました。
前回の活版印刷の時もですが、どういったものが作りたいかを丁寧に聞いてくださり、様々な角度から手段を提案していただけました。自分の知識だけでは出てこない部分まで検討の幅が広がることで、実現する道が見えてきました。
印刷業者さんって……プロフェッショナルって素晴らしい!

再度、何をどう作るか仕様検討

フレークシールに拘らなければ、「厚盛ニス加工」を小ロットで印刷できる業者さんはある…
しかし、もうフレークシールが作りたい誘惑も立ちきれなくなってしまった…
「厚盛」でなければ、表面に一部艶のあるフレークシールは実現できる…

悩みに悩み、ようやく全てが決まりました!
詳しくは実際の仕上がりについてのご紹介と一緒にお伝えしようと思います。

やっと仕様が決まりましたので、それぞれデザインし、さらにニス用の別版を制作し、シールはカットラインを熟考し…………入稿完了。
デザインはこんな感じになりました。

印刷の仕上がりチェック

1週間ほどして到着しました。
最終的に何を作ったか、感想を添えながらご紹介していきます。

<印刷物1:フレークシール >

用紙:アートタック紙、印刷:オンデマンド印刷、オプション:ニス引き

フレークシール印刷をされていて、ニス引きのご提案をいただいた業者さんにお願いしました。
用紙は、選定できる中からできる限りニス部分との差が分かりやすくなるものを教えていただき決定。

濃いグリーンのライン部分にニスを引いています。傾けて反射させると、キラっとします!
ノートパソコン、スマホ、虫眼鏡は、ハイライト部分の演出に使ってみました。(左下)
イラストの背景色を白だけじゃなく、色をつけたパターンも作ってみました。こちらは黄緑色のインク部分自体にも若干艶が出るため、ニスとの差があまりなくなったかも…とも感じます。(右下)
いろいろなデザインパターンを試したことで、インクとニス引きの仕上がり具合の比較ができたりと勉強になりました。
1パターンだけ、ロゴと同じイラストを特別図柄として大きなサイズで作りました!(左上)

<印刷物2:フレークシールパッケージ用の台紙>

用紙:マットポスト180kg、印刷:オンデマンド印刷、オプション:上部36mm部分に筋入れ
+封入用のヘッダー付きOPP袋

【筋入れ 】とは 印刷物を折りやすくするために、スジ(折り目)を入れる加工。

フレークシールと一緒の業者さんにて対応してもらいました。
今回、デフォルトの両面印刷の台紙を入れるのではなく、一部を折り返してパッケージするデザインを実現できるか相談させていただき、片面印刷で折り筋を入れる仕様に変更しました。

筋のない状態でそのまま折ると、綺麗に折れなかったり用紙が割れたりして美しく仕上がらないため、とっても重要な加工です。台紙なので厚めの用紙ですが、手でもきれいに折ることができます!
シールと台紙の封入作業のオプションもありましたが、今回は他にも入れたいもの(印刷物3)があるので自力で袋詰めすることに。

こちらは特にニス引きなどはせず、印刷としてはシンプルです。
一応、ノベルティという設定なので、サービス説明やURLが表示されるQRコードなどが書かれています。

<印刷物3:フレークシールパッケージ用の装飾用台紙>

用紙:マットコート紙(180kg)、印刷:片面フルカラー、オプション:厚盛ニス加工

「厚盛ニス加工」が諦めきれず、対応可能な別の業者さんで、でもシールというアイテムとの一体感をだしたい、ということで演出用に台紙をもう一枚印刷してみました!
印刷物2の折り返した裏面は真っ白なので、その部分と同じサイズで背景となる台紙を追加。
建物の濃い黄色部分、雲部分にニス加工。
イラストには無い「虹」をニス加工のみで表現してみました。きれいに出てます!

<印刷物4:(おまけ)ポストカード>

用紙:マットコート紙(180kg)、印刷:片面フルカラー、オプション:厚盛ニス加工

印刷物3の台紙が定形外なので、台紙が収まるサイズより大きめの用紙を選択し、空いたスペースにハガキサイズのカードを配置して一緒に印刷。さらにここで思う存分「厚盛ニス加工」を堪能することに。
シールにできなかったイラストたちを背景の柄にして、配置しまくりました。
こちらも一応ノベルティという設定ですが、やりたい加工のデザイン重視なので、ロゴとURLをささやかに配置し、ほんのりノベルティ感を出しています…
真ん中のメインのイラストのライン、背景イラストとタイル状のパターン部分にニス加工。

「厚盛ニス加工」データ作成時の注意点で、「抜き」や「細かい文字」などには適していないとのことですが、そのちょっと溶けたようなやわらかいふっくら具合がこの加工の醍醐味なので、承知した上で、文字やイラストのラインに配置しました。
背景イラストも、印刷無しでニスだけでイラストを描こうかと考えましたが、細かな図柄を鮮明に見せたい場合は、やはり今回のようにイラストの上に加工した方が良さそうです。
背景イメージの台紙(印刷物3)の「虹」や、ポストカード(印刷物4)のタイル状のパターンなどが、ちょうど良かったと感じます。

今回の印刷業者さんの仕様として、ニス加工は断裁部から内側2mmまでに収める必要がありました。
それとは別に、「断裁部」や「折り部」はニス加工に適さないため、避けなければなりません。
ポストカードは業者さんによる断裁が発生しますので、不備にならないようにニス加工部分が2mm内側に収まるようにデザインしています。制約にあわせて、かつ不自然にならないように検討するのも難しいですが楽しいですね。
背景イメージの台紙(印刷物3)は、自分でカットするため、断裁部ギリギリまでニス加工を試しています。厚盛ニス加工による仕上がりを、いろいろ比較できるデザインにしたので、こちらも勉強になりました。

今回も大満足です…

(おまけ)自力でカット&袋詰め

印刷は仕上がりましたが、ノベルティとしての仕上がりはまだです。
台紙とポストカードは1枚に印刷されていますので、自分でカット。
そしてシール(10種類x6枚+スペシャルサイズ2枚)と合わせて袋詰めです!
小ロットなので、ダイジョウブデス。





猛烈な肩こりとともに、完成しました!!
思った以上にシールがぎゅうぎゅうで大渋滞しており、背景がチラッとしか見えません!(笑)
スペシャルサイズのシールは、2枚の台紙の間に入ってます。
2枚の台紙もぴったり。
手が滑って、ちょっとニス部分をカットしているものが数枚ありますが(小声)、今のところは剥がれることもないようです。

最後に

今回も、やりたい加工を試せたこと、その仕上がりも期待以上でした。

「厚盛ニス加工」は、水滴のような瑞々しい表現に使ったり、印刷図柄とは切り分けてニスのみで柄としてあしらったり、とても幅広いアイディアを実現するのに役立ちます。
名刺やショッパー(こちらは盛りのない艶が多いかも)などでも見かけますので、すでに手にしているかもしれません。
身の回りにある印刷物を「どうやって作られてるの?」と思ってみてみると面白いと思います。
ものづくりへの興味を持つきっかけになれたら幸いです。




出来上がったシールとカード。
今回も小ロットとはいえ、ひとりで堪能するには山盛りあるので社内で欲しい方にお裾分けして回ろうかと思います。

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この記事を書いた人

おぎ
IS事業本部 デジタルマーケティング事業部 デザインチーム
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