約1年間携わった「立ち上げ期のオウンドメディア運営」を振り返ってみる
こんにちは、デジタルマーケティング事業部 マーケティングチームの小島です。
育休から復帰し、子どもが保育園に通い始めてから早1年ということに驚きを隠せません(歳とともに時間の流れが早くなっていく…)。
そんな私が復帰直後から主な仕事として携わったのが、自社オウンドメディア「車選びドットコムマガジン」の運営なのですが、担当から1年と少しが経ったこの春、他の方へ引き継ぐこととなりました。
担当開始時は、まだ立ち上げから3ヶ月ほどしか経っておらず、月間UUは全チャネルを合わせても6,500UUほど、さらに運営を担当するのはメディア経験者ではない自分1人…という、なかなか過酷なスタートを切ったことが強く印象に残っています。笑
オウンドメディアのセオリーをほぼ知らなかった頃から比べると、今は「何を意識して運営していけば良いのか?」といった視点がかなり身に付いたのではと自負しています。
せっかくなので、今回は振り返りも兼ねてこれを言語化しつつまとめてみたいと思います。
まずは1年の成果を見てみよう!
本題に入る前に、車選びドットコムマガジンがどういったメディアなのか、私が担当した1年間でどんな変遷をしてきたかについて、簡単にご説明します。
車選びドットコムマガジンは、中古車を購入する際のポイントや選び方、またおすすめの車紹介など、読んだ人が欲しいと思える中古車を見つける・出会えることを目指したオウンドメディアです。
リリースは2020年11月で、2022年3月末に誕生から1年4ヶ月を迎えたばかりです。
そんな車選びドットコムマガジンのオーガニック流入数は…
※参考:自社で計測するGoogle Analyticsデータ
このような結果となりました!多少の波はあったものの、現在に至るまで着実に成長を続けていると言えるのではないでしょうか。
また、オーガニック流入において検索上位(1〜3位、4〜10位)となったキーワードの数は…
こちらも波はありますが、4〜10位のキーワード数は2,000近くまで成長し、1〜3位のキーワード数は大きく下がることなく右肩上がりで成長を続けています。検索意図を正しく読み取って、ニーズに適した記事をうまく用意することができたと言えそうです。
では、実際にどのようにオウンドメディア運営を進めてきたのか、具体的な内容についても振り返ってみます。
【担当開始時の壁】そもそも、何をKPIにすれば良いの…
車選びドットコムマガジンの担当となるにあたり、まず行ったのはKPI設定でした(それまでは専任の担当者がおらず、明確な目標がありませんでした)。
一般的にオウンドメディアの効果測定指標として挙げられるのは、「流入数」「読了(スクロール)率」「ページ/セッション数」「CVコンテンツへの誘導数」…etc. と多岐にわたります。
車選びドットコムマガジンの場合、立ち上げたばかりでとにかく流入数が少なく、ユーザーの目に触れないことが課題だったため、まず目指すのは「オーガニック流入数を増やすこと」になりました。
ここで一度つまづいたのが、KPIで「オーガニック流入数を〇PV/◯UUまで増やす」といった目標を立てようとしたこと。
確かに目指すのは流入数の増加なので、KPIも具体的な数字に落とし込みたいところではあるのですが、リリース直後でほとんど記事数もない状態のサイトが今後どのように成長するかは正直未知でしかありません。
具体的な数字を挙げたとしても「必ず達成できる」という根拠やノウハウが乏しく、現実的な目標なのかどうかも判断することが難しい状態でした。
そのため、流入数を増やすことは目標としつつも数字を定めることはせず、KPIには「記事公開本数」を定めることに。
そもそも公開されている記事数が少なく、ユーザーの様々な検索意図に対応しうるコンテンツが揃っていなかったため、まずは記事数を地道に増やすことで「オーガニック流入数」は必ず上がるはずと考えました。
結果、この約1年間で新たに公開した記事数は480本近くにのぼり、オーガニック流入数は先に紹介した通り、順調に増加しています。
※とはいえ、公開記事を増やしてすぐに流入数が伸びたわけではありません。
半年以上は微増の状態が続き、本当にこのままで大丈夫か…?と不安になることもありましたが、SEOは効果が見えるまで時間がかかるため「ユーザーが知りたい情報をしっかり提供できている」と信じて根気よく新規記事の作成・公開を続けました。
【担当から半年】ニュースアプリへRSS配信を開始
担当を始めて半年ほど経った頃、新たなチャネル(リファラル)での流入獲得を目的に、ニュースアプリへのRSS配信も開始しました。
これまでは接点がなかったユーザーに対しても記事を読んでもらうことができ、また利用者数も多いので多くのユーザーにリーチ可能なのが利点です。(最初はあまりの流入数の違いにたまげました。笑)
RSS配信をするようになったことで学びを得たのは、「ユーザーの興味を惹くタイトルの付け方」や「多くのユーザーが”今”興味を持っているトピックを知れた」こと。
ニュースアプリはユーザー数は多いものの、競合メディアの記事も溢れるほど紹介されているため、タイトルだけでも読みたいと思わせるモノがなければ読んでもらえません。
そこで、流入数の多かった記事のタイトルを集めて「何が良かったのか」を考えてみたり、競合の記事タイトルと見比べたりすることでタイトルの付け方を学んでいきました。
また「クルマ」という題材に関して言うと、私は特に車好きというわけでもなく、むしろ知識がほぼ無い状態だったため、記事のネタ出しにはいつも苦労していました。
その点、ニュースアプリではモデルチェンジ等の発表に伴って特定の車種紹介記事の注目が急上昇したり、愛好家の間で人気が高く記事のニーズも高い車種を知ることができ、「どんなクルマの記事をユーザーが求めているのか」を学ぶ良い機会になったと感じます。
【2022年1月〜】過去記事のリライトを開始
車選びドットコムマガジンの担当になって間もなく1年が経とうという頃から、ついに新規記事の公開だけではなく「リライト」にも着手し始めます。
この頃にはオーガニックでの流入数は3〜4万UUほどまで成長し、検索結果上位にランクインするコンテンツも数多くなっていました。
その一方で、検索結果での表示回数は多いのに今ひとつ流入に繋がらない記事や、思うように上位表示されない記事などもあり、これらをテコ入れすることで「今あるコンテンツを無駄にせずにオーガニック流入数を上げたい」というのが狙いでした。
具体的にはどんな記事をリライトしたかというと、まず「表示回数は多いもののCTRが低い記事」、続いて「CTRは高いものの表示回数が少ない記事」を対象としました。
前者は検索結果でユーザーの目に触れる機会は十分あるものの、クリックして実際に記事を読むまでに至っていないということ。つまり、検索結果に表示されるタイトルやディスクリプションがユーザーの興味を惹いていないと言えます。
この場合はタイトル・ディスクリプションの再考を行うことで、CTRを改善、結果として流入増加に結びつけることができました。
(余談ですが、ニュースアプリ配信で学んだ記事タイトルの付け方がここでも生きました!)
後者はCTRが高い=ユーザーの興味を惹くタイトルは出来上がっているものの、検索結果に表示される機会が少ないため流入数が少ないことが課題です。
この場合は、検索キーワードに対する「ユーザーの検索意図(知りたい情報)が満たされているか?」を確認し、適切なコンテンツを用意することで記事の「質」を上げることに注力。これにより、検索エンジンでの表示回数増加、ひいては流入数の増加を狙いました。
この2つにおいては、かかる労力から効率的に流入数増加を狙える前者を優先し、時間がある時に後者も少しずつ対応する形で進めていきました。
リライトする記事の選定にはGoogleサーチコンソールを使用。
検索パフォーマンスからデータをダウンロードすれば、各ページのクリック数・表示回数・CTR・平均掲載順位が一度に取得できます。
こんな感じで一覧が出てきますので、表示回数が少ないものやCTRが低いものを色付けしてピックアップし、リライトを行いました。
また実作業では、ahrefs(競合比較、SEO状況の把握)、ミエルカ(キーワードリサーチ、記事構成案の作成)、UserInsight(ヒートマップ)などのツールも活用。
特にミエルカはリライトだけでなく、限られた人数でも効率的に記事内製を進めることができる機能が揃っており、大変重宝しています。
例えば、まずは新たな記事テーマを探すために「サジェスト抽出」や「サジェスト自動グルーピング」でキーワードを選定。キーワードが決まったら「競合サイトタイトル見出し」で上位サイトの記事構成を見つつ、「クエリタイプ分析」「新規トピック分析」で得た重要な文脈を盛り込んで記事を作成する。…と言った形で、記事作成の頭から完成までの様々な場面でお世話になっている欠かせない存在です。
「MIERUCA(ミエルカ)」 の詳しい機能が気になった方は、ぜひミエルカ公式サイトをご覧ください!
実際、リライトの効果はどのくらい?
気になるリライトの成果ですが、1月に始めたばかりと言うこともあって、更新後1ヶ月以上経過し効果測定ができたものはまだ10記事程度に留まっています。
が、今のところはほとんどが表示回数・CTR・平均検索順位アップに繋がる結果に!今後も成果がどんどん上がるのを期待したいと思います。
当分は安定したオーガニック流入獲得に尽力することになるかと思いますが、いずれは記事の読了率を上げる・回遊を増やす・CVコンテンツへの誘導数を増やすためのリライトも行っていきたいところですね(後継の方々、よろしくお願いいたします!)。
ユーザーが求める情報を、的確に、過不足なく伝える大切さ
ここまで書いておいて言うのもなんですが、現代は本当〜〜〜に情報が溢れすぎていて、何を調べるにも無数のメディアの記事が出てきます。実際に役に立つような「読んで良かった」記事に出会うのは難しいと自分も思っています。
だからこそ「車選びドットコムマガジン」では、中古車販売領域で長くサービスを提供してきた弊社ならではの視点も合わせて、ユーザーが求めるクルマの情報を提供できればと考えて運営してきたつもりです。
この1年間の成果を見る限りでは、これまでの信念ややり方は多分間違っていなかったと言えるのでは無いでしょうか…!
頑張ってきたことが無駄にならなかったのは嬉しいです。
オウンドメディアに関して中の人があまり前に出過ぎてもいけないので(今更!!)、今回はこの辺で。
車選びドットコムマガジンでは、これからもたくさんの中古車選びに役立つ情報が発信されていく予定ですので、クルマをお探しの方はぜひ一度覗いてみていただけますと幸いです。
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