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経済学を使って社内の仕組みについて分析してみた

初めまして、新卒1年目のTomです。入社して5ヶ月が経過した現在も、まだまだ覚えないといけないことがたくさんあり、日々精進する毎日です。

幸い、社内には様々な知識を持っている方がたくさんいるので、何か技術や専門的な知識に関する質問をして、「分からない」という答えが返ってくることがありません。今までに積み重ねてきた経験値の差を痛感すると同時に、いち早く同じレベルに立ちたいと思いながら業務をこなしています。

こうして社内の方々から色々なことを教わって自分の社会的価値を高めようと努めていますが、社内の方に頼ることが唯一の方法ではありませんよね。たとえば社外セミナーに参加してみることが挙げられます。

弊社では業務に関連する内容のセミナーであれば、参加費用を会社が負担してくれて、業務時間内に参加することができます。最初聞いたときは、「おー、すごく人材育成に注力してくれる会社だな」と感動した記憶があります。

ですが、「はたしてこれはシステムとして本当に大丈夫なのか?」という素朴な疑問がふと私の中に浮上してきました。私たち社員側からすると、無償で業務時間の都合に悩まされることもなく参加できるので、まさに至れり尽くせりです。

しかし、

『会社側からすると、参加費の負担をしなくてはならず、
さらに業務時間中のセミナーだった場合は、私たちの会社での業務時間が減るだけではなく、
その業務に充てられていない時間の分の給料も支給しなければなりません』

改めて文章で書き起こしてみると、このシステムが会社側に大きな損失をもたらしているように聞こえませんか?

そこで今回は、このシステムの合理性について、私が大学4年間で勉強してきた経済学の知識を使って分析してみたいと思います!

外部経済という概念

経済学とは?

経済学をものすごくざっくりと説明すると、その財・サービスを提供する人(供給者)とそれを求める人(需要者)が市場(しじょう)を介して行う取引について分析するものです。ここでいう市場とは、その財・サービスを売買する場だと考えてください。

例えば、リンゴを売りたい人と買いたい人がいると想定すると、経済学では、リンゴの需要者がリンゴ一個に対していくらの値段を出せばどれだけ満足するかを分析し、またリンゴの供給者がいくらの値段で売れたらどれだけ満足するかを分析することで、最終的にお互いが最も満足できるリンゴの値段を設定しましょう、というようなことをやっているのです。

これを本格的にやっていくと、

  • 需要曲線と供給曲線を作って、
  • この2つの曲線が交わるところが市場均衡点で、
  • 市場均衡点での価格で取引されることが、売りたい人と買いたい人の満足度の合計値が最も高くなるので、、、

と言ったストーリーを展開していくことになります。

ちなみに、色々細かなルールはありますが、基本的にはこの両者の満足度が最も高くなる価格でしか取引はされません。なぜなら、この地点よりわずかに価格が上がれば、需要者の満足度が値段と釣り合わないと判断し取引が成立しなくなり、反対に価格が下がれば、供給者の満足度が値段と釣り合わないと判断し取引が成立しなくなるからです。

なんで?本当にそうなの?と気になった方は「完全競争市場」とネットで調べてみてください。もしかしたらその一歩が経済学にハマるきっかけになるかもしれませんよ。(自分はそこまでハマらなかった)

外部経済とは?

上記でご紹介した例はあくまで個人同士の話でしたが、この主体の単位はもちろん個人よりも広くすることができます(企業や社会など)。それでも先ほどの完全競争市場のルールさえ守っていれば、それぞれ主体の効用(満足度を経済学的に言い表した言葉)は常に最大化されているはずだから、社会全体の効用もまた最大化されているはずです。

しかし社会はそんなに甘くはありません。社会全体の効用が常に最大化されていることは残念ながらないのです。

その理由の一つが、ある2つの主体の取引が、彼らの全く意図していないところに影響を及ぼしていることです。自分たちの効用の最大化を追求するあまり、全く知らない赤の他人の効用にも影響を与えてしまったということですね。

例えば、自分が保有する土地のすぐ近くに大きなデパートができたとします。デパートを建設する目的は、お客さんにその新しいデパートで買い物をしてもらって利益を出すためだったのですが、その結果の副産物としてその土地周辺の住みやすさが良くなったので、自分が所有している土地の価値が上がり得をしました。

この場合、そのデパートの会社の意図から全く外れる形で、自分にプラスの影響があったことになります。こういうプラスの影響を『外部経済』と呼んでいます。

ちなみに、マイナスの影響を与える場合は『外部不経済』と呼びます。例えば、そのデパートの影響で頻繁に車の渋滞が発生し生活しづらくなったという場合がそれにあたります。

マイナスの影響を与える場合は、何か対策をしないといけないということが感覚的にわかるかと思いますが、プラスの影響を与える場合も実は良くない状態なので、対策をしないといけません。なぜかというと、せっかくその行動が他の場所でプラスの影響を与えてくれることがわかっているのに、その取引を行っている本人たちがそれを意識していないがために、そのプラスの影響を最大化できていないからです。今の時点で他人に5のプラスを与えているものが、何か補助をしてあげることで10のプラスを与えられるようになるのだったら、結果的に5損しているっていう考え方です。

この問題を解決する方法を1つ挙げると、恩恵を受けている主体が、取引を行っている主体に補助金を出して、その活動をさらに促進してもらうという方法があります。(これを『ピグー補助金』と言います)

社外セミナーと外部経済

社外セミナーには外部経済がある

社外セミナーの話はどこへいったと思われている方がいるかもしれませんが、ここでようやく両者をリンクさせていきますよ。

というのも、実は社外セミナーというのも外部経済を持つ事例の1つなのです。

Aさんが2000円の参加費がかかるマーケティングの社外セミナーに、今後の業務に役立てる目的で参加するとします。Aさんは社外セミナーに参加するための意思決定として、そのセミナーの参加費と参加することで得られる知識(効用)を天秤にかけるはずです(これはあくまで経済学的なアプローチ方法です)。そして、2000円を払ってでもその知識を得る価値があると判断したから、参加を決意したという背景があるはずです。大事なのは、ここではAさんの天秤には、Aさんのスキルアップと、そのためにかけられる費用しかかけられていないということです。

そしてセミナー参加後、Aさんはその成果として業務の質が向上し会社に利益をもたらしたとします。これはAさんからすると、これを目的にセミナーに参加したはずなので、その費用に合った報酬を得ただけだと言えます。

ですがもし、Aさんのそのスキルを同僚のBさんが真似て、その結果Bさんの業務の質も上がり、会社に更なる貢献をもたらしたとしたらどうでしょうか。これはAさんが意図していた影響の範囲外でBさんと(結果的に)会社へプラスの効果を与えたことになります。このことから、Aさんが社外セミナーに参加したことは外部経済を持っていたという結論を導き出せます。

ただ、もしAさんが自分のスキルアップだけではなく会社全体のスキルアップまでを考慮して行動していたら。もし会社がこの波及効果の存在を見越してAさんのスキルアップにかかるコストを負担してあげたら。そしたらもっとAさんは自分への投資量を増やして、もっと会社に利益をもたらしてくれるかもしれない。

という考え方が、先ほど外部経済の解決方法で述べていたピグー補助金の考え方です。

この会社の社外セミナーのルール

以上の話を踏まえて、冒頭で説明したこの会社の社外セミナーのシステムを改めて見てみましょう。

『会社側からすると、参加費の負担をしなくてはならず、
さらに業務時間中のセミナーだった場合は、私たちの会社での業務時間が減るだけではなく、
その業務に充てられていない時間の分の給料も支給しなければなりません』

最初聞いたときは、会社に損しかなさそうに聞こえたこのシステムですが、経済学的に分析してみると、これはピグー補助金の考え方を取り入れた、すごく合理的なシステムだったのです。誰がこのシステムを考えたのかも、これを考えた人がどのような意図でこのシステムを導入しているのかも私は知りませんが、これを知った時、もしかしたらこの会社には経済学にすごく詳しい人がいるのではないかと勝手に1人で感動していました(笑)。

とはいえ、このシステムが完璧かと言われるとそうではありません。会社のお金でセミナーに参加し、そこで手に入れたスキルを自分のためだけにしか使用しない、成果を周りの人たちに還元していかない、といったことが起きてしまったら、外部経済がもたらすプラスの効果を会社の利益に結びつけられず、会社が補助金を出した意味がなくなってしまうからです。

つまり、人材育成のために会社が自分たちへ投資してくれているということを忘れることなく、投資してもらった成果をどんどん周りに波及させていかないといけないということです。

こう考えると、ますますプレッシャーがのしかかってきますね。ですが裏を返せばこれは期待されているという証でもあると思うので、今後もこれらに押し潰されることなく励んでいく姿勢を忘れないようにしたいです。

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この記事を書いた人

tom
IS事業本部 デジタルマーケティング事業部 マーケティングチーム
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