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企画を立てること=小説を書くこと??

新しい企画の立案と、その企画の開発、リリースまでを監督する仕事を中心に、日々がむしゃらに働いていたらいつの間にか入社から1年以上経過していました。1年前の自分と今の自分を比較すると、まるで別人のように感じることもありますが、逆に1年経ってもまだまだ成長しないなあとため息をつきたくなることも。

そんな感じで毎日働き、退勤後の自由時間を使って仕事の疲れを癒すのですが、この自由時間を使って僕はよく小説を書いています。趣味で書き始めてからもう4年が経ちましたが、我ながら意外と長続きしているなあと思う次第です。

さて、こんな感じの日々を送っている僕が今回このブログのネタとして選んだのが、「企画を立てる」という仕事についてです。この1年で自分なりにどういう点が大事だと感じたのかを紹介しようと思います。

ですが、ただ自分の仕事の紹介をするだけでは二番煎じになってしまうと思いましたので、先ほどご紹介した「小説を書く」という趣味と関連づけながらお話しすることで、独自性を出していきたいと思います。

実は小説を書くことと企画を立てることって非常によく似ていると個人的に感じます。良い小説家は優秀な企画者に、優秀な企画者は良い小説家になれるんじゃないかと思うくらいには親和性が高いのではないでしょうか。

今回は2つのメインポイントをあげて、それぞれが両者にとってどう重要なのかを説明していくような形で進めていきます。

ポイント①最初にゴール・目的をはっきりさせること

【小説の場合】オチ・結末を意識するのが大事

必ず小説にはオチがあると思いますが、この「オチ・結末」を書き始める段階で意識しておくことが非常に大事なんじゃないかと考えています。最初に結末を決めておくと、その結末に向かって作中にどんなフラグ(伏線)を用意しておくか、どんな起承転にするかを決めるのが非常に楽になります。

結末がない状態で話を書き始めると、もしかしたら最初は順調に進むかもしれませんが、書いている途中で必ず「あれ、どういう話にまとめたらいいんだ?」「結局ここでは何を伝えたかったんだ?」と迷いが生まれます。すると、結果的に物語の方向性がブレてつまらないものが出来上がる可能性が高くなります。

反対に、結末が決まっている状態で書き始めると、「こういう結末にしたいからここでこの人にはこういうイベントを用意しないといけない」とか「ここで伏線を張っておいたら結末をもう一段階盛り上げることができる」といった工夫ができるので、途中のストーリー構成も整合性があるものにしやすく、話の流れもわかりやすくなるはずです。

【企画の場合】目的を意識するのが大事

企画を立てるにあたって一番大事にしないといけないと思っているのが、「それが本当に起案者の望みを叶えるものなのか」を常に意識することです。

企画には必ず叶えたいゴールがあります。「こんな機能を実装してもっとサイトを便利にしたい」「ここのデザインをもっと目立つようにしてユーザーにこういうメッセージを届けたい」などなど。

ゴールがわからなかったりフワフワした状態で進めると、そもそもどんな内容の企画を立てればいいかもわからないですし、いざ企画が完了したと思っても他の意見にあっさり流される・覆されるようなことになりかねません。

反対に、「こういう目的のもと企画をしました!」という軸を持って話を進めることができれば、異なるの意見を持つ方に対してもしっかりと説明をすることができますし、自分の意見の間違いにも気づきやすくなります。

つまり小説も企画も、最終的に「どこに向かって話や企画をまとめればいいのかを最初の時点で意識する」ことが大事なのです。

自分の場合、小説を書く場合は結構簡単にこれができているのですが、企画を立てる場合は意外と忘れがちになってしまいます。注意すべきことは同じなのにこうして意識の差が生まれてしまうのは、自分がそれをどれだけ当たり前だと思っているかという意識の差なのだと思います。(もっと企画の経験を積みます・・・。)

そこで対策として、私は大きな案件の企画を立てる時は前もって、企画書にこの企画をやる目的とその内容を一番最初に書くようにしています。起案された背景がわかる時は背景も書きます。

昔から結果だけ見せられてもなかなか納得できない性分でしたので、こうして結果に至るまでの過程も記載することで、どうしてそんな目的の企画が立てられたのかがより自分の中ではっきりすると同時に、その目的を忘れにくくするという効果があると思っています。

最終的に企画を趣味だと思ってやれるレベルにまでなれたら、もっと会社にとって価値の高い人材になれそうですね。目標は高いですが頑張ります。

ポイント②入念な調査が中身を左右する

【小説の場合】知識がないと話は薄っぺらくなる

小説を書く時は、よっぽどのファンタジー作品を書こうとしない限りは、何か現実世界でベースとなるものがモチーフになっていることが多いです。そのモチーフとなるものに対してどれほど知識を持っているかによって、その物語の深みが変わり作品の出来映えが大きく変わります。

例えば野球の物語を書く場合。野球を全く知らない人が書くと、選手たちがその試合までにどんな練習をしているか、実際の試合の雰囲気はどのようになっているか、などをうまく描写できないはずです。作品の中の臨場感やキャラの心理描写をうまく伝えられないと、いざ読者が読んでもうまく作品内の熱が伝わらず、残念な出来になってしまいます。

しかし、もしその作者が昔からずっと野球をやってきた人で、その難しさや楽しさを知っている人だったらどうでしょう。物語の中でも登場キャラの心理描写や練習の辛さ、仲間との掛け合いなど、試合に臨むまでの背景も詳細に書くことができるでしょうし、選手側が感じる試合の臨場感なども上手に伝えることができるはずです。(文章力の差はあるでしょうが)

このように、扱う分野の知識の有無は作品の中身を大きく変えます。その知識の量はあればあるほど出来にプラスの影響を与えます。映画監督などがその作品の舞台のモチーフに選んだ場所に直接赴いて下調べするのも、こういうメリットがあるからですね。

【企画の場合】知識がないと企画はまとまらない

僕が担当する企画の多くは、既存ページの機能改修や既存サイトに新しいページを追加するものです。そういった場合、ただ闇雲に今回の企画で変えたい場所についてだけを伝えるだけでは不十分といえます。なぜなら、ある一箇所を触ることで別のページの同じような機能にも影響が出る可能性があるからです。

例えば弊社が運用している車選びドットコムで検索フォームを変更するという企画を立てた場合、まず最初にどのページで検索フォームを使っているかを調査する必要があります。これを把握しておかないとこの企画の影響範囲を読み違えてしまうため、開発が完了した後に予期せぬバグが発生します。

デザインを変える企画の場合は、他ページのデザインとも比較しながら作らないと一箇所だけ浮いたデザインのものが生まれたり、他のページと使い勝手が違うページが完成したりします。すると、ユーザーがこのサイトを訪れた時にチグハグな印象を受けたり、使いにくいと感じさせたりしてしまいます。

このように、企画を立てる際にはその触る箇所に対しての知識が必要です。

また、幅広い分野に対して知識の引き出しが多いほど企画の質も向上します。

これは極端な例ですが、インターネット注文のサービスを新しく始めるからそのサイトを作る企画を立てて欲しいという依頼があったとします。もし普段全くインターネットを使わない人が企画すると、どんなページ構成にしないといけないか、どんな機能が必要か、どんなデザインにしたら使いやすいかなど、わからないことが多いはずなので、企画の中身もわからないなりに作られたものとなるでしょう。

一方、日頃からインターネットで買い物を頻繁にしている人が企画すると、自分の経験やよく使うサイトを参考にできるので、何を作らないといけないかが明確にわかるはずです。さらに自分が使っていて使いやすいサイト・使いにくいサイトの比較も行うことができるので、ワンランク上の企画を提出することが出来ます。

知識の有無によって、企画も物語も出来が大きく変化するということがお分かりいただけたでしょうか?
面倒くさがってこういった調査を怠ると後々痛い目を見ることになります。どちらの分野でも僕は何度も痛い目を見てきました。今でも痛い目を見ています。

ただし、企画においてはどんな知識・調査が必要になるのかを見抜く力は経験と共に培われる面も多いように思えます。
ですので、とりあえず僕が最低限意識しているのは、

  • 面倒くさがらない
  • わからないことがあったらそのままにしておかない

といったところでしょうか。
来年以降の自分だったら、もっと企画という分野への知識が増えているはずなので、より深みのある内容が書けるはずです。

最後に

今回は自分の趣味である小説執筆と自分が行っている企画という仕事の共通点をテーマとして僕が仕事中に意識していることについて紹介してみました。僕の場合は小説執筆でしたが、自分の趣味と仕事を結びつけてみると思わぬ発見があるかもしれません。

今回、趣味と仕事でやっていることは同じなのに、どうして仕事の方がより難しく大変に感じるのか、ということを考えるきっかけを手に入れました。

今のところ、「趣味では結果に責任が伴わないこと」が一番の理由だと考えていますが、もしこれを良い形で証明することが出来たら今度は「仕事の成長が早くなる方法」という内容で筆を執るかもしれないです。

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この記事を書いた人

tom
プロダクト開発本部 企画チーム
tom

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